看護師と共感という言葉

今読み進めている「コンパッション」にも共感の章があります。

この「共感」という言葉は、看護師であれば学生の時からよく使ってきたと思います。
「患者の気持ちに寄り添い、共感し、看護を提供する」
なんて抽象的な言葉でしょう。でも、よく耳にするフレーズです。

本によると、これは情動的共感で、時には自分のウェルビーイングを犠牲にすることもある。
なんて危険なことなのかと思います。
自分の中でうまく調整ができ、思いやりや気配りが程よく作用した時に、
信頼関係も築け、共にいるという看護ができるのだと思います。

ちょうど10年前の8月、この時期でした。
父の病床で担当の看護師は4月入職の新人さん。
お見舞いに行ったとき、時々相談されました。
「何もしてあげられないんです。」
「きっと辛いと思うんです。少しでも楽に過ごせたらと思うんです。」
「私、うまく関われているのか・・」
家族である私に話すことは勇気が要ったでしょう。

私も学生の時に感じたことです。

疲れちゃうよね。

でも、父は感謝していたんです。
もっと何かしてほしいなんて思っていなかったんです。
ただ、毎日元気に挨拶をして、声をかけてくれるだけで安心していたんです。

この時期になると思い出します。
あの時の看護師も10年経ち、中堅の立派な看護師になっているんだろうな。

明日は看護コーチトレーニング(NCT)のDay5。
「承認」の中で共感も取り扱います。
参加している方が自分の看護を深く振り返る時間になると思います。
今月末からの看護学校の講義でも「共感」、大切に取り扱ってみたいと思います。

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